2014年12月14日日曜日

テンカラ開眼? その5
northland fly rod その4

私のホームリバー、下流部のニジマス釣りが、通年解禁になりました。秋から春までの禁漁期間が無くなりました。一年中、釣っていいですよ、ということです。他の川の漁協も同じような対応が、増えているようです。釣り人としては、うれしいです。しかし、それでは今まで禁漁にしていた理由とかその根拠はいったい何だったか、よく説明されないままの変更は、いまひとつしっくりしないです。

そんなことを思ってた自分が、ゆるい流れでライズするニジマスを見た途端、すべてを忘れてフライをキャストしているのだから、私の正義など、デタラメなものです。

この日のライズは、20番サイズの小型カゲロウを食べているようです。それに似たドライフライを流せば、釣れると思いました。ただ今年は、テンカラをテーマにしていたので、少しおおきめの16番のソフトハックルを選択しました。
一投目にニジマスの前を通過しましたが、無視されました。ところが、「だめだったか」とラインをリトリーブしてくると、別のニジマスが食いついてきました。

30㎝のニジマスです。竿は、ノースランドのスーパースロー(northland super slow)、8ft4inchです。もともとの設計はロングリーダー用だと思いますが、私はフライまでの全長で10ftぐらいで使用してます。
「どうだ、ソフトハックル使えば、ミッジフライなんか必要ないだろ!」と、勝った気分になりました。(何に勝ったのか不明ですが⁉)

しかし、そのあとが続きません。フライを流すと、魚たちは迷惑そうに、横に移動してしまいます。さらにしつこく流すと、、ライズまで止まってしまいました。
「これでミッジを使って釣れたら、自分のアイデンティティーが壊れる」などと思いながら、20番の小さな毛鉤を結ぶ。
やがて、再びライズがはじまりました。
小さなドライフライが流れてゆく。ニジマスが何の疑いもなく、ゆっくり食いつく。合わせると、銀色の魚体が、身をくねれせている。
「ウーン」。多数派が時間をかけて築いたセオリーに、自分が負けた気がした。

(その6に続く)

2014年11月12日水曜日

テンカラ開眼? その4


フライロッドで、テンカラ。このテーマの成果を、文章だけでなく、ムービーでアップロードしようかと思い、ムービーカメラと三脚を持参して、9月の末の渓流に行きました。
しかし、釣りとは意地悪なもので、そんな時にかぎって、まるで反応がない。やっと釣れたら、ウグイ。
家に帰り、動画を再生してみると、背中を丸めた中年男が河原に立ち、短いラインを振り回しては、竿を持ち上げる、その行為を繰り返しているだけで、何とも情けない映像でした。
なので、ムービーは、またの機会に。

レッドラップのバンブーロッド、なかなか綺麗ですよね。魚が、ヤマメだったら、どんなによかったか。だけど、このウグイ、けっこう引きがよかったんですよ。

(その5に続く)



2014年10月14日火曜日

テンカラ 開眼? その3

フライタックルで、テンカラ釣り

日本で発達したテンカラ釣りは、科学技術の進歩で、進化しています。第1に、竿の素材が軽量化され、4m以上の長い竿が出現したこと。第2に、低番手のフライラインよりもはるかに細くて軽いテーパーライン、またはフロロカーボンなどのレベルラインを使うこと。いままでは、竿先を高く構えても、ライン自体の重さで手前に引っ張られいたが、その欠点が解消された。サイドストリームの釣りで、竿とラインで橋を作り、中間の流れの筋を跨いで、狙った石裏のピンポイントや流れの筋に、自然に流すことができる。第3に、従来のテンカラ毛鉤だけでなく、ミッジフライから大型アトラクタータイプまで、状況に合うフライパターンを選べるようになった。

一方のフライのラインは、飛距離の出る設計なので、重いし、縄のように太い。竿も短い。川に立って、同じポジションから、テンカラの真似をしても、同じことにはならない。太いフライラインを水面上に置くフライフィッシングは、2mちょっとのフライロッドでラインを空中に跨がせて、ブリッジを作れない。自然に流すことも難しいし、水中に沈んだ見えないフライに魚が食ったことを感知できない。だからこそ、ロングティペットをたるませたドライフライや、ウキ型マーカーの釣りが主流になった。フライの位置や魚の反応が、視角でわかりやすく知ることができる。合理的だ。マーカーの替わりに、目立つフライをドロッパーに取り付けて、目印にしている釣り人もいる。

しかし、昔の腕利きの毛鉤釣り師たちは、日本でも欧州でも、マーカーや目印用ドロッパーが無くても、魚を釣ってきたではないか。その疑問、なんとか解決したかった。ドライフライで楽しい釣りができた日も、そのことをふと思い出す。さぼった宿題が残っているような気分がした。

 


解決手段? 発見?



私は次のような方法で、フライタックルでテンカラ釣りをしたところ、魚が釣れるようになりました。
 

まずフライラインの番手ですが、3番前後がいいです。WFよりDTのほうが、着水部分が細くて、流れの影響が小さいのでお勧めです。ただWFに慣れているなら、そのほうがいいでしょう。
ロッドは、8fぐらい。日本では15年ほど前に、8f3inchのロッドが流行して、各メーカーから大量に生産、消費されました。いまそのロッドが中古ショップやオークションで、お手頃な値段で販売されていますので、それで十分です。
リーダーは、フライまでの全長で、10feet(約3m)。9fのリーダーにティペットを1f継ぎ足しても、12fリーダーを2カットしても良いです。


フライは、12番がおすすめです。渓流釣りのほとんどで、通用します。ボディもハックルも、色はお好みのもので十分です。ハックルは、2回転巻くだけです。水に濡れて沈む時にハックルが開き、水面に引き上げる時にハックルが閉じるタイプを順巻き。ハックルをアイ方向に傾けて巻いて、水中での動きがその反対のタイプが、逆巻き。どちらも釣れます。逆巻きで作ったはずが、いざ試すと、動きが順巻きになってしまったりもします。それでも、釣れます。
このハックルの開閉で、魚を誘惑し、生き物らしさをアピールします。また最近になって思うのですが、ハックルが閉じた時、フライの体積がとても小さくなります。ボリューム感だと、12番だったフライが16番サイズに縮小します。これがテンカラ釣り師たちの多くが、フライフィッシャーマンほどには、フライサイズにこだわらなくても釣れる要因ではないでしょうか。1回のキャストからピックアップまでの間に、釣り師の操作や流れに引かれて、開閉の度に大きくなったり、小さくなったりする。
ウルフパターンやエルクヘアカディスを沈めても、こんな現象はできません。私も以前はテンカラ釣り師の毛鉤を見て、「あんな大きな毛鉤だけじゃ、ヒゲナガの時しか使えない」などと思ったものです。てんから毛鉤の機能について、認識が不足していました。


続きは、また更新します。

















2014年10月8日水曜日

テンカラ 開眼? その2



ごく一般的な渓流です。川幅は10m前後。落ち込みから、淵尻まで20m位。餌釣り、ルアー、フライ、テンカラなど、釣りかたは、さまざま可能です。
毛鉤釣りも、ドライ、ウエット、ニンフなど、どの方法にも魚は食い付きます。特にドライフライは、気分が最高です。

でも、たくさんの先行者がいて、似たようなドライフライを使っていると、フライをちょっとぐらい取り替えても、反応がほとんど無いことがあります。そんな時、ハックルをパラリと巻いたテンカラ毛鉤やソフトハックルパターンが、おすすめです。

そのテンカラ毛鉤は、諸子百家というか、使う人によって、使い方はバラバラです。自然に流せ、と言う人。食わせる「間(タイミング)」を与えるために、いったん止めろという人。水面や、水面下で、ジグザグに誘えという人。どれも釣れるので、どれも正解、なので逆に決定的な不正解もないので、迷いやすい。

それらのハウツー本やビデオは、次のような内容が多いです。
1.水面下3㎝ぐらいを流す。
2.魚が、毛鉤が偽物だとバレないように、3秒以上は流さない。
3.3回竿をシャクって誘いをかけて、カラ合わせ。
4.魚は毛鉤を食って、異物と判断すると、0.3秒で吐き出す。
5.竿は、3.3m。

なぜか「3」という数字が、多すぎる。テンカラの釣り人は、和式の伝統イメージが強いが、実は「3」の数字にこだわる世界的な秘密結社のメンバーかも⁉

(この続きは、その3へ。近日中に更新したいと思っています)




2014年10月5日日曜日

テンカラ 開眼? その1

イワナです。ちょうど30㎝。イブニングの写真は、模様が綺麗に映らなくて、残念です。シンプルなテンカラ毛鉤で釣りました。竿は、西村俊朗さんというJ-PLANEやアイザックのロッドデザイナーのバンブーロッドです。レッドラップと呼ばれるガイドの巻き糸が赤い色で、ちょっとオシャレです。


もしかすると最近になって、渓流でフライタックルでの、テンカラ毛鉤またはソフトハックルの釣りがやっと理解できたかもしれないです。フライフィッシングを20年以上やって、やっとコツらしきものを手にいれました。

今までもウエットフライの釣りで、対岸側の斜め下流、または自分の岸側などのダウンストリーム方向だと、ラインを張った状態にして、ロッドに伝わるアタリで、魚を釣ることは出来た。
また、自分の岸側上流にウエットフライを投げて、流れよりやや速くラインを引っ張っることで、魚のアタリを感じ取った。
しかし、どちらの釣り方も、竿に伝わるアタリを優先するために、水中を自然に流すことを、やや犠牲にしていた。
ただウエットフライは、不自然なことがかえって魚にとって誘いの効果もあるので、地味な毛鉤から、派手な毛鉤まで、時には複数の毛鉤を七夕飾りのように釣り糸にぶらさげて、エイヤっと投げては、水中で踊らせた。おそらく魚たちにとっては、チンドン屋の行進のように映ったかもしれない。

自然に流れているドライフライが水分を含んだり、渦に巻き込まれて沈んでしまった時に、ラインを引くと、偶然に魚が釣れていたりします。この状態こそが、ウエットフライの釣りかたの重要な部分だと思います。

ただ、だからと言って、ドライフライの代わりに沈むフライを結べば、同じように魚が釣れてくれるかというと、なぜか釣れてくれないんです。渓流の水中では、フライがどこを流れているかわかりません。自然に流すには、ドライフライ同様に、リーダーやティペットにたるみが必要です。すると水中で魚がフライに食いついても、竿はアタリを感じません。先ほどの偶然を再現しようと、投げて流して、やみくもにカラ合わせをしても疲れますし、まぐれに頼っているだけで、あまり楽しい行為ではありません。

どうしたら、水中を自然に流しながら、アタリも感知できるか。
このテーマは、どうしても解けない大問題でした。国内海外のウエットフライの解説書や専門誌も読んでみましたが、その答えは「勘」「第六感」など、どこかはぐらかされている印象がしました。

自分でもいろいろと試してみましたが、あまり納得できる方法は見つからなかったです。なので、そのテーマの追求には、飽きたり、諦めたりでした。そんなことより、手っ取り早く釣って楽しんだほうが良いに決まっています。目の前に、魚がいるのに、あえて不確かな方法を選ぶことに、耐えられなくなりました。
今までどおり、渓流をドライフライで釣り上がり、ウエットフライは広い川、増水、イブニングなどダウンストリームで狙える条件で活躍しました。

(その2に続きます。また読んでください。近いうちに書きます~)














2014年4月21日月曜日

northland fly rod その3

wet king 6番 9f

次に買ったのが、ノースランドのウェットキングという、ウエット用の6番9ftの3ピースです。

その当時、英国式の古典的な、やたらと高価な鳥獣の羽や毛皮を使ったウエットフライやサーモンフライを巻いた釣りが流行った。バブル期と重なっていたので、日本の自然には存在しない世界中の生き物の死骸を輸入して、日本の渓流魚を釣るのが、オシャレでカッコいい、という風潮だった。シロクマやアフリカの貴重種の鳥など、これらはどういう方法で採られ、乾燥加工され、輸入されたのか。私もそのことからついつい知らぬふりをしながら、欧州の伝統文化に浸った気分で、それまでの虫っぽい毛鉤から、英国名のついた装飾品のようなフライが入った箱をベストのポケットに入れた。さえない男が、そんなことで何かしらの優越感を求めたのだ。当然のことながら、そのことで女性にモテたことは、一度もない。

ウエットロッドは、しなやかで、小さな負荷でも、竿全体が弧のカーブに曲がる。下流側にラインやリーダーを張った状態でも、魚の食い込みを良くしようという設計になっている。
使い始めて気付いたのは、4番から6番になり、さぞかし遠くに投げられると思ったら、飛距離があまり変わらなかったことだ。それまでの4番のティップアクションは、中間部分からグリップエンドまでは硬くしっかりしてるので、前後にフォルスキャストしていれば、竿に引っ張られながら、ラインも前後に飛ぶ。しかし、このウェットロッドは、すぐにグリップ近くまで大きく曲がり、反発力も弱いので、ラインが長くなると失速気味になり、ループも竿の形状そのままの、広がりぎみで空気抵抗の大きな投げかたしか出来ずにいた。

ひょっとして、間違った買い物をしたかと思った。しかし同時に、どうしたらせめてダブルテーパーラインを20メートルぐらいは飛ぶのかと、自分で研究をしてみた。

その答えは、竿のグリップを前後に振ってはダメで、バットを十分に曲げながら、グリップを上下に移動させるという方法だ。ラインも遠くへ投げようというより、長さを確実に伸ばしていく感覚のほうがいい。グラスロッドや竹竿など、カーボンに比べて鈍重な感触の竿でのキャスティングに悩んでいる人は、一度試してみてください。

ウエットロッドの良いところは、ロールキャストがやりやすいこと。竿の長さもあり、バットから曲がるので、小さな動作でも、長いラインを前方に運んでくれる。ラインはダブルテーパーがいい。メンディングやフリッピングで流しこむ時も、ウエイトフォワードのように、ギクシャクせずに、なめらかです。

この竿、意外なことに、湖でも具合いが良かった。湖というと、張りのあるロングキャストに向いた竿を通常は選択する。ただ、自然湖でも人造湖でも、急斜面でバックは林で、という地形は多い。真夏など、鱒もバスもそんな場所がポイントになる。木から落ちるセミや甲虫を食べている。斜面に座って、大きなドライフライをロールキャストで投げて、波に漂わせたり、ほんの少し誘いをかけると、ガバッと出る。
また観光客が多かったり、障害物があったりで、バックキャストがままならない場所も、ロールがおすすめ。
このニジマスも、夏の日中に岸から10メートルぐらいで釣れました。なぜか7月の日中は、大きな魚が釣れます。8月の高水温にや餌不足に備えて、最後の荒食いをするのかもしれないです。ここのところ、あまりお目にかかれていませんが。





2014年4月19日土曜日

northland fly rod その2

その2

それからというもの、渓流のドライフライばかりやった。コツを掴めたのか、それからはヤマメもイワナも、あれっ?というぐらい、反応も多くなり、合わせのタイミングも覚えてきた。季節も、ほとんど冬の状態から、春になって、魚も水面のエサに眼がいくようだ。
Tさんにこの釣りを教わった中で一番驚いたのは、透明度がある川なら、解禁直後の冬景色の中でも、渓流魚は瀬に居て、ドライフライに食いつくことだ。この時期は、川底でじっとしているというのが、それまでハウツー本の定説だった。
またフライフィッシングというと、川幅のあるチョークストリームの釣りのイメージだったが、落ち込みと淵と瀬が連続する谷川のような渓相でも、テンカラ釣りのように上流に釣り上がることができるのも、新鮮だった。
休みの日だけでなく、空き時間があれば、ノースランド片手に釣りをしていた。雪解け水がおさまると、本流などいろんな川に通った。Tさんにウエットの釣り方も教わり、毛鉤とルアーの中間のような光るフライをニジマスがひったくるように出た。


その頃、釣り雑誌で紹介される渓流のドライの釣り方が、ショートリーダーで、ピンポイント狙い撃ちから、ロングリーダーでフライがナチュラルに流れる距離と時間を長くして、魚に違和感を持たせないで喰わせようという、俗に言うところの岩井スタイルに代わりつつあった。ニンフなどの水中に沈める釣りも、脈釣りに近いアウトリガーから、マーカー浮きを使ったルースニングが多くなった。そのスタイルに合わせて、ロッドもシャープなティップアクションから、やや長めのスローアクションタイプが増えていった。

私はどうも岩井スタイルの釣りが苦手で、従来スタイルで通した。自分のノースランドの竿も、ショートリーダーに向いていた。4番のラインに、竿よりやや短いリーダー。その先に、フライ。早く沈めたい時は、ガン玉おもり。それだけ。
シンプルな仕掛けだけど、水面から底まで狙える。リーダーが短いと、狙いの筋へ入り易いし、フライの位置も把握しやすい。誘いもかけられるし、流し毛鉤のように、扇引きもできれば、ルアーのように下流から上流へ逆引きも出来る。これが竿の2本分の長さのリーダーだったり、途中にウキが付いてると、竿へのダイレクトな当たりが伝わりづらくなる。 

7月の初め。ドピーカンの日中だった。早朝から釣りをしていて、疲れたし、あと数投したら、昼飯にしようと思った。本流の中流域のその場所は、水温が高くなってしまったか、ウグイが3匹ほど釣れただけ。
アウトリガーで、淵の岩盤の際を上流に向かって投げた。ラインの先端が水に着かないように、竿先を徐々に上げた。ラインの自重で、リーダーは下流に引っ張られるが、流速と調和がとれていて、不自然さは無さそう。
すると、リーダー全体が渦に引き込まれる感触があった。何気なくラインを引きながら、竿を上げると、根掛かりのようだ。岩盤か水中の岩に、フライかガン玉が挟まれたか。
しかし、根掛かりが、振動を伴いながら、寄ってきた。とんでもないサイズの銀色の魚体が見えた。
あっという間に水面近くに寄ってきたが、今度は魚のほうがこちらに気付いた。驚いて向きを変えて、対岸に疾走したり、魚雷が炸裂したようなジャンプをした。
ハリスは0,8号だし(この頃の0,8号はフナやウグイなどの小物用)、初めての大物だし、「きっと最後はバレちゃうんだろうな~」「大きいの掛かったけどバレたなんて言っても、あいつ見栄張って嘘ついてるわなんて思われるかもな」などと、弱気なことばかりが浮かんでいた。
それから約10分間、魚の動きに合わせて、河原を走った。最後にニジマスは疲れたようで、運良く淵尻の砂地に誘導できた。
銀色とピンク色が綺麗な48㎝。上顎に、フックが皮一枚刺さっていた。バレておかしくない状態だった。
フライ1年目で、幸運すぎてちょっと怖かった。もうこの先、永久にボウズでも構わないと思った。



2014年4月16日水曜日

フライロッド ノースランドは、すばらしい。

fly rod northland  (グリーンスタジオ)

northland club
初めてのフライロッドは、ノースランドのクラブシリーズという廉価版を買った。フライを教えてくれたTさんの勧めだった。7.6fの4番だ。小渓流でのドライで、ヤマメ釣りをした。最初の1匹は、指の長さ程度のチビヤマメだったが、ほんとうにうれしかった。1ヶ月近く、ボウズの連続で、自分にはフライは向かないのでは、と思っていた時に釣れて、魚にありがとう、と頭を下げた。
 
 
 

2014年4月8日火曜日

ABU ULTRA MAG XLⅡの思い出話

3月中旬から、5月中旬ぐらいまで、私のホームリバーは、雪解け水のため、釣りにならない。一般的な釣り用語の雪代水と違い、泥濁りになる。上流にダムが2つあり、そこに溜まった泥水が透明になるのに、2か月もかかる。

写真の電光掲示板の「放流中」は、ニジマスの放流でなく、ダムの放水注意の意味。暫くは、通ってもあまり良い釣りは期待できない。グリーンの濁りは、かえって大物のチャンスの時もあるけど、泥濁りはルアーやフライで、良かった記憶がほとんど無い。ただ、餌のぶっこみ釣りだと、泥濁りでも、釣れる。だから、もっと濁り時の対応を研究すれば、ヒットさせる方法が見つかるかもしれない。その前に、気持ちが折れてしまうだろうけど。

こんな時は、釣り人の特権である、思い出に浸って、精神の利息を受け取るのがいい。


これは、20年も前、日本海で釣ったアイナメだ。或る川の河口で、シーバスハンターというシンキングミノーにヒットした。川は雪解けで濁っていて、ちょうど今ぐらいの時期だ。ヒットの直前、トラウトなのか、シーバスなのか、60cmほどもある魚が何度かジャンプしていたので、ロッドがグイグイ引き込まれて、間違いなくその大物だと思った。岸に上がった魚を見て、予想とはサイズも姿も違い、思考がやや停止した。正直なところ、喜びは無かった。後になってから、アイナメでこのサイズはなかなか立派だと知った。そうしたら、急に自慢の1匹になった。

写真のベイトリールは、アブのウルトラマグ ULTRA MAG XL Ⅱ。初めてのベイトリールで、初めてのABUだ。
20年以上前に、中古で買った。
当時、代理店のブルーカード付きというのが、中古売買における水戸黄門の印籠だった。この保証カードがないと、日本ではニセ黄門の扱いを受けた。にもかかわらず、知人が正規品をカードを添えて修理を依頼したら、目の玉が飛び出る請求金額だったとのこと。なので、ソルトウォーターで使うのは、やめにした。

ラインのバックラッシュに泣きながら、いつもリールを呪った。それが、マグレで釣れると愛情に変わった。

まだ野尻湖が全国区の人気になる少し前、地元の釣り人しかいなっかった頃だ。ラパラのシャッドラップをダーターのように、水面近くで誘ったらヒットした。魚の引きに合わせて、滑らかにスプールが逆回転する。さすがは、ABUだ、と思った(他のメーカーのベイトリールは知らなっかったが)。
体高があって、ブリブリの肉付きの魚体だった。ウルトラマグで、ウルトラマグレの1匹。

竿はウエダのトップウォーター用のグラスロッド。ホームリバーの鱒釣りや、海のルアーチョイ投げなどでも活躍した、お気に入りの竿だ。スピンキャストリールを使えば、軽いミノーやスプーンも投げられる。

残念なことに、このメーカーはロッドの生産をやめてしまった。リールの正規代理店も、変わってしまった。釣りの思い出よりも、現実のビジネスの厳しさが、顔を出す。背筋が寒くなる。自分はいつまで釣りができるだろう。
と言っても、何かの努力やチャレンジ精神などは、やはり出来ない。今のまま、好きな釣りを続けよう。きっとこれが運命だ。先の将来なんて、泥で濁った水中のように、私には見えないし、わからないから。


 






2014年3月31日月曜日

フライとルアーのニューハーフ?

フライで狙っていると、バックが崖で、ウエーディングも急深で出来ない、そんなポイントって、けっこう多い。そんな時、ルアーのタックルだったら、と思う。
逆にルアーで狙っていると、魚が夢中に水面の虫を食べていて、いろいろとルアーを取り替えても、まるで反応が無い。車のトランクには、フライの道具があるが、山道を1時間も歩かねばならず、選択の失敗にため息をつく。
たぶんこんな釣り人のために登場した竿が、EAGLE CLAWのPACK-IT。
グリップが上下リバーシブルになっていて、リールシートの位置で、ルアーとフライが選べるという便利なコンセプトのロッドだ。ルアーは1/8~1/2.フライは7番ラインが適合する。

これは、すばらしい。中古釣具屋で見つけた私は、迷うことなく、食いついた。頭の中には、夏に行く山奥のダム湖が浮かんでた。きっとその頃には大イワナが、写真になってこのロッドと写っているはずだ。
ついでに、easy fly caster lineという優れモノも手に入れた。フローティングラインを40センチほどに短縮してあり、13グラムの重さがあり、先端側にリーダーとフライを、後ろ側にリールのラインを結べば、ルアータックルでも軽いフライが遠投できるという、シューティングヘッド型の飛ばしウキである。ダム湖のバックが崖のポイントも、これがあれば、フライとルアー、両方で狙える。

しかし~。

いざ釣り場で使うと、次々とショックなことが起きた。
夕方のトビケラのイブニングライズを、フライフィッシングで使ってみた。グリップの中は、鉄のパイプが入っていて、リールシートをエンド側にセットして、フライリールを取り付けた。ラインは通常のWF7、ロッド長さは7,5ft。フォルスキャストで、ラインを伸ばす。もう少しで、一番近いライズに届きそうになったとき、なんと!ロッドのバットとグリップの継ぎ目が離れて、ロッドが飛んで行ってしまった。バシャッという音とともに、水面に7フィートのロッドのライズリングが広がった。
慌ててラインを手繰って、竿を回収した。なにかセッティングが間違えたか。
もう一度、バットをグリップに差し込む。今度は慎重にフォルスキャストをする。視線をグリップに向ける。すると、予想外のことが、発生していた。なんと、フォルスキャストの度に、バットとグリップが、1~2㎝ずつ離れていくのだ。パイプ状の接合部分は、5㎝しかないので、3回フォルスキャストしてシュートすると、ちょうどそのタイミングで、ロッドが飛んでいく。パイプの中に、少し細いパイプを差し込むだけの構造だ。フライキャストは、ロッドのバットの振幅がティップ、ラインへと伝わるのだから、固定されなければ抜けてしまうのは、当たり前と言えば、当たり前だ。
どんなに投げ方を工夫してみても、抜けてしまうのを防ぐことが出来なかった。
下の写真のロッドのグリップに、そのパイプが見えます。ここが滑って抜けないように、ロウを塗ったりしてみましたが、ダメでした。ただのパイプの差し込みでなく、スクリュー式のネジで固定できれば、こんな悩みは解消できそうなのに。

ではルアーロッドとしての性能ですが、ガイドがかなり旧式の鉄線のリングタイプで、そのせいか摩擦抵抗が大きく、遠くへ飛びません。ロッドのブランクも重く、疲れます。

easy fly caster lineですが、やや古いせいもあり、リーダーと結ぶあたりの部分が、変な巻きぐせがあって、飛行中にリーダーが旋回してしまいます。飛距離が出ない上に、絡みやすく、ガッカリでした。

で、いまだに1匹も釣っていません。もともと面倒がらずに、ザックにルアーなりフライなり、パックロッドを持っていけば、解決できること。

ハイブリッドなシステムを手に入れた喜びは、つかの間で終わりました。でも、これらのアメリカメーカーの、釣り人のわがままに応えようとしたアイデアや努力はすばらしく、いつか別の形で進化したものに出会えそうな気がしました。期待をしています。この手の失敗は、何度でも、大歓迎。人間関係の失敗と違い、いとも簡単に、回復できます。

2014年3月18日火曜日

釣りの、相棒。道具編。

フライロッドメーカーnorthlandのルアーロッド。ちょっと、めずらしいです。サクラマスなどの、大川用です。

この日、魚は釣れなかったです。無反応でした。

ダイワのアンダースピンキャストをセットしてみました。
スピニングロッド用の、クローズドフェイスリールです。レバー操作でラインの送りこみができます。本流などのスプーンやメタルジグでの、ボトム狙いに便利かも。まだ、魚が釣れてないので、<講釈>はまた後日改めて。

これは、ベイトロッド用のアブマチック(右)と、無名メーカーのやや小型(左)。外見が、ちょっと似ている。以前は、コピー物をバカにしたけど、近頃はその情熱に、拍手です。だって、製品化するには、すごいコストと労力が掛かっているはずだし、しかもあまり売れないだろうし。この無名メーカーは、よほどアブマチックが好きなんだろう。今年は、この無名クンを川や湖に、連れていこう。