2014年10月14日火曜日

テンカラ 開眼? その3

フライタックルで、テンカラ釣り

日本で発達したテンカラ釣りは、科学技術の進歩で、進化しています。第1に、竿の素材が軽量化され、4m以上の長い竿が出現したこと。第2に、低番手のフライラインよりもはるかに細くて軽いテーパーライン、またはフロロカーボンなどのレベルラインを使うこと。いままでは、竿先を高く構えても、ライン自体の重さで手前に引っ張られいたが、その欠点が解消された。サイドストリームの釣りで、竿とラインで橋を作り、中間の流れの筋を跨いで、狙った石裏のピンポイントや流れの筋に、自然に流すことができる。第3に、従来のテンカラ毛鉤だけでなく、ミッジフライから大型アトラクタータイプまで、状況に合うフライパターンを選べるようになった。

一方のフライのラインは、飛距離の出る設計なので、重いし、縄のように太い。竿も短い。川に立って、同じポジションから、テンカラの真似をしても、同じことにはならない。太いフライラインを水面上に置くフライフィッシングは、2mちょっとのフライロッドでラインを空中に跨がせて、ブリッジを作れない。自然に流すことも難しいし、水中に沈んだ見えないフライに魚が食ったことを感知できない。だからこそ、ロングティペットをたるませたドライフライや、ウキ型マーカーの釣りが主流になった。フライの位置や魚の反応が、視角でわかりやすく知ることができる。合理的だ。マーカーの替わりに、目立つフライをドロッパーに取り付けて、目印にしている釣り人もいる。

しかし、昔の腕利きの毛鉤釣り師たちは、日本でも欧州でも、マーカーや目印用ドロッパーが無くても、魚を釣ってきたではないか。その疑問、なんとか解決したかった。ドライフライで楽しい釣りができた日も、そのことをふと思い出す。さぼった宿題が残っているような気分がした。

 


解決手段? 発見?



私は次のような方法で、フライタックルでテンカラ釣りをしたところ、魚が釣れるようになりました。
 

まずフライラインの番手ですが、3番前後がいいです。WFよりDTのほうが、着水部分が細くて、流れの影響が小さいのでお勧めです。ただWFに慣れているなら、そのほうがいいでしょう。
ロッドは、8fぐらい。日本では15年ほど前に、8f3inchのロッドが流行して、各メーカーから大量に生産、消費されました。いまそのロッドが中古ショップやオークションで、お手頃な値段で販売されていますので、それで十分です。
リーダーは、フライまでの全長で、10feet(約3m)。9fのリーダーにティペットを1f継ぎ足しても、12fリーダーを2カットしても良いです。


フライは、12番がおすすめです。渓流釣りのほとんどで、通用します。ボディもハックルも、色はお好みのもので十分です。ハックルは、2回転巻くだけです。水に濡れて沈む時にハックルが開き、水面に引き上げる時にハックルが閉じるタイプを順巻き。ハックルをアイ方向に傾けて巻いて、水中での動きがその反対のタイプが、逆巻き。どちらも釣れます。逆巻きで作ったはずが、いざ試すと、動きが順巻きになってしまったりもします。それでも、釣れます。
このハックルの開閉で、魚を誘惑し、生き物らしさをアピールします。また最近になって思うのですが、ハックルが閉じた時、フライの体積がとても小さくなります。ボリューム感だと、12番だったフライが16番サイズに縮小します。これがテンカラ釣り師たちの多くが、フライフィッシャーマンほどには、フライサイズにこだわらなくても釣れる要因ではないでしょうか。1回のキャストからピックアップまでの間に、釣り師の操作や流れに引かれて、開閉の度に大きくなったり、小さくなったりする。
ウルフパターンやエルクヘアカディスを沈めても、こんな現象はできません。私も以前はテンカラ釣り師の毛鉤を見て、「あんな大きな毛鉤だけじゃ、ヒゲナガの時しか使えない」などと思ったものです。てんから毛鉤の機能について、認識が不足していました。


続きは、また更新します。

















2014年10月8日水曜日

テンカラ 開眼? その2



ごく一般的な渓流です。川幅は10m前後。落ち込みから、淵尻まで20m位。餌釣り、ルアー、フライ、テンカラなど、釣りかたは、さまざま可能です。
毛鉤釣りも、ドライ、ウエット、ニンフなど、どの方法にも魚は食い付きます。特にドライフライは、気分が最高です。

でも、たくさんの先行者がいて、似たようなドライフライを使っていると、フライをちょっとぐらい取り替えても、反応がほとんど無いことがあります。そんな時、ハックルをパラリと巻いたテンカラ毛鉤やソフトハックルパターンが、おすすめです。

そのテンカラ毛鉤は、諸子百家というか、使う人によって、使い方はバラバラです。自然に流せ、と言う人。食わせる「間(タイミング)」を与えるために、いったん止めろという人。水面や、水面下で、ジグザグに誘えという人。どれも釣れるので、どれも正解、なので逆に決定的な不正解もないので、迷いやすい。

それらのハウツー本やビデオは、次のような内容が多いです。
1.水面下3㎝ぐらいを流す。
2.魚が、毛鉤が偽物だとバレないように、3秒以上は流さない。
3.3回竿をシャクって誘いをかけて、カラ合わせ。
4.魚は毛鉤を食って、異物と判断すると、0.3秒で吐き出す。
5.竿は、3.3m。

なぜか「3」という数字が、多すぎる。テンカラの釣り人は、和式の伝統イメージが強いが、実は「3」の数字にこだわる世界的な秘密結社のメンバーかも⁉

(この続きは、その3へ。近日中に更新したいと思っています)




2014年10月5日日曜日

テンカラ 開眼? その1

イワナです。ちょうど30㎝。イブニングの写真は、模様が綺麗に映らなくて、残念です。シンプルなテンカラ毛鉤で釣りました。竿は、西村俊朗さんというJ-PLANEやアイザックのロッドデザイナーのバンブーロッドです。レッドラップと呼ばれるガイドの巻き糸が赤い色で、ちょっとオシャレです。


もしかすると最近になって、渓流でフライタックルでの、テンカラ毛鉤またはソフトハックルの釣りがやっと理解できたかもしれないです。フライフィッシングを20年以上やって、やっとコツらしきものを手にいれました。

今までもウエットフライの釣りで、対岸側の斜め下流、または自分の岸側などのダウンストリーム方向だと、ラインを張った状態にして、ロッドに伝わるアタリで、魚を釣ることは出来た。
また、自分の岸側上流にウエットフライを投げて、流れよりやや速くラインを引っ張っることで、魚のアタリを感じ取った。
しかし、どちらの釣り方も、竿に伝わるアタリを優先するために、水中を自然に流すことを、やや犠牲にしていた。
ただウエットフライは、不自然なことがかえって魚にとって誘いの効果もあるので、地味な毛鉤から、派手な毛鉤まで、時には複数の毛鉤を七夕飾りのように釣り糸にぶらさげて、エイヤっと投げては、水中で踊らせた。おそらく魚たちにとっては、チンドン屋の行進のように映ったかもしれない。

自然に流れているドライフライが水分を含んだり、渦に巻き込まれて沈んでしまった時に、ラインを引くと、偶然に魚が釣れていたりします。この状態こそが、ウエットフライの釣りかたの重要な部分だと思います。

ただ、だからと言って、ドライフライの代わりに沈むフライを結べば、同じように魚が釣れてくれるかというと、なぜか釣れてくれないんです。渓流の水中では、フライがどこを流れているかわかりません。自然に流すには、ドライフライ同様に、リーダーやティペットにたるみが必要です。すると水中で魚がフライに食いついても、竿はアタリを感じません。先ほどの偶然を再現しようと、投げて流して、やみくもにカラ合わせをしても疲れますし、まぐれに頼っているだけで、あまり楽しい行為ではありません。

どうしたら、水中を自然に流しながら、アタリも感知できるか。
このテーマは、どうしても解けない大問題でした。国内海外のウエットフライの解説書や専門誌も読んでみましたが、その答えは「勘」「第六感」など、どこかはぐらかされている印象がしました。

自分でもいろいろと試してみましたが、あまり納得できる方法は見つからなかったです。なので、そのテーマの追求には、飽きたり、諦めたりでした。そんなことより、手っ取り早く釣って楽しんだほうが良いに決まっています。目の前に、魚がいるのに、あえて不確かな方法を選ぶことに、耐えられなくなりました。
今までどおり、渓流をドライフライで釣り上がり、ウエットフライは広い川、増水、イブニングなどダウンストリームで狙える条件で活躍しました。

(その2に続きます。また読んでください。近いうちに書きます~)