日本のいにしえの秘技
モグラの尻尾の毛鉤
偶然、図書館で面白い本を見つけました。「宮本常一とあるいた昭和の日本」。発行は、農山漁村文化協会。1960年頃の、高度成長期の農村漁村の昔ながらの生活が変化したり、失われる過程で、かろうじて残っている伝統的な暮らしぶりや行事を取材した紀行文だ。
その東海北陸2に、八木洋行さんというライターが、静岡県の大井川上流の山村地域を旅した記録がある。
田代という集落で、滝浪さんという家で、ヤマメの混ぜご飯をごちそうになります。ヤマメは、祭りや来客の時の、貴重なごちそうだったようです。
本文から。
テンカラ釣り
滝浪さんは、モグラのしっぽで毛鉤を作ります。鉤にモグラのしっぽを通して乾燥すると、しっぽの毛がふさふさして毛虫のような具合になります。これだけで、結構ヤマメが釣れるのだそうで、田代には古くからあったといわれます。毛鉤の釣りをテンカラ釣りといいます。テンカラ釣り用の竿は、スズ竹ニ本のつなぎ竿で、三メートルほどのものを使いますが、手元のグリップを桐で作り、形態は近代的な西洋風のものと変わりません。小河内の望月繁福さん(明治31年生)が、テンカラ用の竿作りの名人でした。昨年の夏、おしくも他界されましたが、生前作っていただいた竿は、見てくれはもう一つですが、腰の具合はなかなか良く、六メートルのラインを充分とばせます。それに穂先が尻手からしまえるようになっていて、谷間を歩くにはこれが持ち運びに便利で、気に入っています。~略~
モグラのしっぽの毛鉤! 日本のテンカラ毛鉤と言えば、ニワトリがほとんどで、あとはキジ、スズメなどの鳥だ。モグラのしっぽの毛鉤は、アメリカやイギリスにも、あまり無いのでは、と思います。
しかもタイイングするのではなく、鉤に通して乾燥させて固着するというのが、ワイルドだ。見た目は、ウーリーワームに近いのかもしれない。釣りの指南書ではないので、毛鉤の写真は載ってない。現物をぜひ見たかったです。もしかすると、水に濡れると、しっぽから、味やにおい成分が出るのかも?
その9に続く
おはようございます
返信削除海外テンカラサイト”10カラーテンカラ”から辿り着きました
興味深い記事のご紹介ありがとうございます、早速作ってみました
もしよろしければご笑覧下さい
https://kebariandfly.wordpress.com/2018/07/14/%E3%83%A2%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%81%AE%E5%B0%BB%E5%B0%BE%e3%80%80%E6%AF%9B%E9%89%A4/
此方へのリンクを貼らさせていただいても宜しいでしょうか?
コメント、ありがとうございます。それと、返事が遅くなってすみません。
削除リンク、どうぞ貼ってください。
今年も渓流の禁漁まで、あとわずか。お互いに、良い釣りができるといいですね。
私のホームグラウンドの川は、下流部のニジマスは、通年オッケーになっているのと、ウグイ、鯉、バス、オイカワなどを釣るのも好きです。
またブログ更新をしたいと思います。