古いフライラインの利用法
~改造シューティングヘッド
いまはさまざまなタイプのフライラインがあって、しかも新品でもお手軽な値段で買えるので、あえて自分で作る必要はないですが、貧乏症のせいか、ついつい古いラインをあれこれ接続させては、川で試しています。
渓流では3~5番のダブルテーパーのフローティングラインをメインに使っています。私は片方をおよそ2シーズン使ってから、反対側を巻き替えてもう2シーズン使います。
4年使うわけですが、それでも劣化するのは両先端数メートルだけで、20メートルぐらいある太い部分は、このまま捨ててしまうのは勿体ないほど、しっかりしています。
ふと、パワーウエット用9番12メートルのシューティングヘッドを購入後、釣り場のバックスペースの関係で7.5メートルにカットしたとき、余ったリアテーパー側4.5メートルがあるのを思い出し、それをブレイデットで渓流で使った古いフローティングラインと継いでみました。
ブレイデッドとフライラインは、補強のために、絹糸を巻いてから、接着剤で固定します。ヘッドセメントでも、瞬間でも、オッケーです。
以前、熱収縮チューブを使った時期もありましたが、寒い冬場は柔軟性がなくなったせいか、チューブが簡単に外れてしまったことがあったので、この方法に戻しました。
写真暗くてすみませんが、左側がシューティングヘッド、右側がランニングラインになるDT5Fで、中央がブレイデッド接続部です。
今年の1匹目は、犀川周年区間のニジマス。日没直前に、このヘッドシステムで釣れました。竿の番手は、6番がフィットします。
このシステムのよいところは、竿先からヘッド部分を出し、さらに継ぎ目から2~3メートルぐらいランニングラインになるフローティングラインを出した状態でキャストします。すると、ロールピックアップしてワンキャストで20メートルぐらいシュートできます。9番ヘッドが5番ラインを先導していきます。
しかもチカラを抜いて、軽く投げる感じです。竹竿や、ウエット用のマイルドなタイプのグラファイトロッドでも、負担が少ないです。
ティーニーラインに近い構造ですが、こちらの改造ヘッドのダブルテーパー5番の太いところが、ダウンクロスでのメンディングがやりやすくしています。しかも、その太さが、リトリーブ後に次のキャストをするまで足元のラインの絡みを防ぎます。ウエーディングの釣りでは、ラインバスケットを使えば、さらに快適です。(日本のフライフィッシャーには、ラインバスケットはダサいと専門誌などで洗脳された人も多いですが、使ってみると足元のランニングラインの障害物との絡みや、シュート時の流れや波との抵抗を気にしなくてすむので、釣りに集中できます。そのせいか、釣果もアップします。)
また全体の構造がティップシンクになるので、フライの位置も把握しやすく、水面のヘッド側とランニング側との継ぎ目から、約6~7メートル先の下流の中層にフライがある感じです。
それと、ランニングが通常のレベルタイプに比べて、太くて重いと飛距離が落ちるのでは?と心配しましたが、実際の釣りで試してみると、それほど差はなく、むしろティーニーよりもターンオーバーは滑らかです。
開けたプールをメンディングを繰り返しながら、フライを横切らせると、ズンと重みが竿に来ました。